前の記事で、家庭教師を例として選択しました。
家庭教師といっても、働き方はいろいろあります。
1人(フリー)でやるのか、仲間たちと一緒に行うのか。働き方によって、できるようになることもあれば、できなくなることもあります。
今回は、個人事業主でやっていく場合と法人でやっていく場合のちがいを考察していきたいと思います。
目次
今回の記事は、個人事業主と法人のちがいをまとめた記事なので、メリットやデメリットを知りたい方は次の記事へお進みください。
(この記事に目を通していただいた後にご覧いただけると、より理解しやすいかと思います)
個人事業主については、この記事の流れに沿うだけで十分です。
法人においては情報量が不十分であり、他の記事を準備しております。
個人事業主と法人については、厳密に掘り下げると、情報がものすごく多くなり、読む側にとってパンクするほどの量になってしまいます。ここでは、起業する人(もしくは起業初期)にとって、一般的に必要な範囲で解説していこうと思います。
(細かいことも知りたい人向けに、後日別の記事を用意いたします)
個人事業主・法人の比較
個人事業主 | 法人 | |
---|---|---|
定義(意味) | 1人のみ(or+家族のみ、少数従業員) | 法律上の人。 法律によって「人」とされているもの。 |
開業(設立)と事業の廃止 | ||
開業・設立 | 開業届を出すだけ(0円) | 定款作成・登記によって設立される。 (約6万円〜25万円かかる) |
事業の廃止 | 廃業届+αを出す | 解散登記、公告などが必要 (数万円かかる) |
確定申告(税金関連) | ||
税金の申告 (会計・経理) |
個人の確定申告(簡単) | 法人決算書・申告 (難しい内容で、税理士が必要になることが多い) |
経費の範囲 | 経費として認められる範囲が狭い | 経費として認められる範囲が広い。 一方で、赤字でも法人税(均等割7万円)が発生する。 |
赤字の繰越 | 3年(青色申告の場合) | 9年 |
保険(生命保険と社会保険) | ||
生命保険 | 所得控除 | 全額を経費として計上することができる。 |
社会保険 (従業員含む) |
会社側の負担分なし (5人未満の場合) |
会社側の負担分あり |
その他 | ||
信用 | 低いことが多い | 高いことが多い |
よく、個人事業主と法人とで分けられますが、これは税務上の所得区分です。
したがって、開業届等の届け先が税務署なのです。
*フリーランスというのは、働き方のことであり個人事業主でも法人でもありうる。
個人事業主と法人の定義(意味)
個人事業主とは
個人事業主とは、株式会社などの法人(下記説明)を設立せずに、自ら事業を行っているもののことをいいます。
自営業=個人事業主です。
事業者1人のみ(or+家族のみ、少数従業員)が一般的で、よくいわれる正社員(雇用されている者)、会社経営者、公務員、無職以外のものは個人事業主です。
・アーティスト
・プロスポーツ選手
・タレント
など、多くのものが該当します。
必ずしも、職業で区分けできるものではなく、税法上の区分けです。
法人とは
法人とは、法律によって「人」とされているもののことをいいます。
法人は、法律によって人と同じような権利を与えられています。
法人は営利を目的とする営利法人と、そうではない非営利法人に分けられます。
ここでいう営利とは、法人が得た利益を社員(構成員)に分配することです。
開業・設立
個人事業主の開業方法
個人事業主が開業する方法は、開業届(個人事業を開業したことを税務署に申告するための書類)といわれる書類を税務署に提出するだけです。
開業届の正式名称は、「個人事業の開廃業届出書」で、廃業の際も同じものを提出します。
無職の場合でも、開業届を出した時点で「個人事業主」です。
開業届は税務署にもあるので、印鑑(100円とかで買えるハンコでも可)を持って、税務署に行けば解決です。
大まかな流れとしては、以上で十分ですが、詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
開業届はインターネットを経由して、郵送で提出することもできます。
*郵送の場合は、返信用封筒を同封して控えも送りましょう。
法人の設立手続き
法人を設立するための条件は、法人の種類によって細かく分かれています。
一般的には、定款を作成した後に、司法書士による登記によって成立します。(6~25万円の費用が発生します)
個人事業主とちがって、簡単には説明できません。
(詳しく知りたい方向けの記事についてですが、他の情報と比較して、必要としている人が少ないと考えられるため、後日準備します。)
事業の廃業
開業する前に廃業の話をするのもよくないかもしれませんが、話しておきます。
個人事業主の廃業
個人事業の開廃業届出書(開業届と同じもの)+αを提出して終わりです。
法人の廃業
廃業には、解散の登記と清算結了の登記が必要です。
また、法的な倒産手続きとしては「清算型」(倒産状態にある会社を解散させる方法)と「再建型」(倒産原因のある会社の事業を継続させ再建を目指す方法)があります。
確定申告(税金の申告・経費の範囲・赤字の繰り越し)
個人事業主の確定申告
税金の申告
個人の確定申告は比較的簡単です。
少し勉強すれば、はじめての場合こそ苦労するかもしれませんが、慣れれば問題なく行うことができるでしょう。
もし、わからないところがあったとしても、税務署などで無料で相談することができます。
経費の範囲
法人と比べると経費として認められる範囲が狭いです。(後述記載)
事業に関係する費用として計上できるものであり、会計上の利益を減らすことができます。
経費を計上することによって、会計上の利益を減らすことは節税対策になります。
赤字の繰り越し
青色申告の場合、赤字を3年間繰り越すことができます。
個人事業主の確定申告には、青色申告と白色申告があります。
青色申告は、白色申告よりも難しい手続きが必要ですが、手間以上の節税対策をすることができます。
法人の確定申告
税金の申告
個人の確定申告と比べると、難しい内容で、税理士が必要になることが多いです。
経費の範囲と赤字の繰り越し
個人事業主の場合と比べると、経費として認められる範囲が広いです。
経営者への給与や保険料等も経費として認められます。
一方で、赤字の場合でも法人税(均等割7万円)が発生します。
また、赤字の繰り越しは9年間認められています。
個人事業主の保険
生命保険
所得から控除されます。(所得控除)
社会保険
会社側の負担分はありません。(5人未満の場合)
法人の保険
生命保険
全額を、経費として計上することができます。
社会保険
会社側の負担分があります。
その他
個人事業主と法人では、信用面で大きな差があるといわれています。
以上で、個人事業主と法人の簡単な説明は終わりです。
この記事の内容は、丁寧に説明すると情報量がものすごく多くなってしまうため、必要最小限にとどめています。
また、関連記事なども多いため、随時加筆修正していきます。
「個人事業主」と「法人」のちがいがある程度わかったということで、次の記事では「個人事業主」と「法人」のメリットとデメリットに焦点をあてて、どちらを選べばいいのか考えていきたいと思います。