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石田流
石田流は、花形の戦法の1つとして、現在でも初心者に人気の戦法です。
その理由として、受け主体が多い振り飛車の中でも、積極的に攻めていくことができる攻撃力を持っている戦法で、上図の形は「振り飛車の理想形」ともいわれています。
当ブログでは、升田式石田流をベースに考察していきます。
この升田式石田流は、振り飛車であるにもかかわらず角道を止めない、振り飛車ではタブーとされる角交換を行ってしまうという驚くべき手法です。
(以下、先手:▲、後手:△で表記します)
1手目~3手目:▲7六歩→△3四歩→▲7五歩
1手目は▲7六歩から始まります。
この1手目は、居飛車・振り飛車問わず、初手として選ばれることが多い手です。
自分の最初の手で7八に飛車を動かす7八飛戦法という戦法があり、石田流に近い形で戦うことができます。
2手目で相手が△3四歩と角道をあけたところで、▲7五歩と突く3手目が石田流の特徴です。
この▲7五歩までいくことができればいいのですが、そうならない場合もあるので、まずはそこから注目していきたいと思います。
石田流を指そうとする場合に1番困るのが、先手(1手目)▲7六歩に対して、後手(2手目)が△3四歩でなく、△8四歩と突いてくる場合です。
2手目:△8四歩の場合
上記であげた1~3手目通りに▲7五歩までいくことができれば石田流を指すことができますが、相手が2手目に△8四歩と突いてきた場合は、石田流を指すことが難しくなってきます。
1手目~3手目:▲7六歩→△8四歩→▲7五歩とすると
後手の4手目、△8五歩に対して、先手は5手目で▲7七角と受けるしかなく、7手目以降に7筋に飛車を振っても、上部に角がくることになってしまうため、石田流を指すのは難しくなってきます。
さらに、3手目の▲7五歩が浮き駒(守ってくれる駒がいない状態)になってしまうのも少し痛いです。(この時点で評価値も-200ほどになってしまいます)
歩1枚につき100点など諸説ありますが、500点程の差がつくと、ひっくり返すのは難しくなってきます。
したがって、2手目の△8四歩の時点で、3手目を▲7五歩でなく別の手を指す必要があります。
このとき指す手(3手目)によって、戦法が大きく異なってきます。
相手が4手目に△8五歩と突いてこなければ、5手目に▲7五歩と突いて石田流を目指すことができます。
もしも、4手目に△8五歩と突かれた場合は、こちらは5手目に▲7七角とすることで、ノーマル三間飛車という戦法をとることができます。
2手目の△8四歩に対して、飛車を4筋や5筋に振って四間飛車やゴキゲン中飛車を目指したり、4手目の△8五歩に対して飛車を8筋に振る向かい飛車を目指すこともできます。
3手目:▲7五歩
3手目の▲7五歩を指すことによって、先手側は「石田流を指します!」と宣言したような形になります。
3手目に▲7八飛はまずい…
▲7六歩→△3四歩から3手目に▲7五歩ではなく、▲7八飛と7筋にいち早く飛車をふることはやってはいけません。
2手目が△8四歩であったときは、▲7八飛も候補手の1つでしたが、なぜ今回はいけないのかというと△8四歩とは異なり、角道があいているため、3手目の▲7八飛から【▲7八飛→△8八角成→▲同銀】と角交換を仕掛けられてしまうからです。
そして、その後の後手の△4五角打(下図)がまずいのです。
石田流を指す場合は、避けては通れない4五角問題。
相手から△8八角成と角交換をされ、そのまま4五に角を打ちこまれます。
受けを間違えると、馬をつくられることによって、いきなり不利になります。
(△4五角打まで)
これに対して、先手が有利になる受けがありません。
先手が▲3六角打とすることによって、お互い馬をつくることはできますが、以下、
△6七角成→▲6三角成→△5二金右→▲3六馬→△5七馬(下図)
と、先手は歩を1つ多くとられてしまうことになり、不利な状況になってしまいます。(評価値-300ほど)
(△6七馬まで)
まとめ(1~3手目)
・基本的に▲7六歩→△3四歩→▲7五歩を目指していきます。
・相手の2手目が△8四歩の場合は、▲7八飛として石田流を目指すか、他の戦法を指しましょう。
▲7八飛とすると、ノーマル三間飛車になる可能性もありますが、覚えることも少なくなりますので、おすすめです。
・後手の2手目△3四歩に対して、▲7八飛としないように注意。
以上、石田流の1~3手目でした。
次の記事では、石田流を展開していくための3~5手目に着目していきたいと思います。
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