これまでは、囲いの崩し方をみてきました。
囲いの崩し方を学んだことによって、それを見据えて序盤戦を戦うことができるのはとても良いと思います。
しかし、囲いの崩し方を学んだからといって、序盤戦を優位に戦うことができるとはできるとは限りません。
「石田流対策」のような、こちらの戦法に対して「罠」を張っている相手に対しては、特に気をつけなくてはいけません。
今回は、「石田流対策」をされた場合、どうしたらいいのかみていきたいと思います。
石田流対策を知る
石田流対策はいくつかありますが、アマチュア初段を目指すという段階では、とりあえず「棒金戦法対策」のみで十分だと思います。
石田流を指す上で、左美濃はあまり相性がよくありません。
しかし、左美濃については対策を知らないからといって完封されることはあまりありませんし、美濃崩しを応用して攻めるなど、こちらにも攻撃する手段はありますので、当記事では省略します。
棒金戦法
石田流を指しているときに、知らないと大変なことになるのが棒金戦法です。
図1:△8四金まで
上図は、棒金戦法が決まった形です。
こうなってしまうと、△7四歩から、こちらの飛車が押しつぶされてしまうような形になり、劣勢を強いられてしまいます。
石田流に対して、上図のように金が8四の形までいくと、棒金戦法は成功した形になります。
では、この「棒金戦法」に対しての対策をみていきましょう。
具体的な対策としては、主に二つあります。
棒金戦法対策1(△8三金の瞬間に▲7八飛と引く)
棒金戦法は、相手の金が△7二金→△8三金→△8四金とでてきます。
もし、△8三金の時点で▲7八飛と引くとどうなるでしょうか。
図2:△8三金→▲7八飛まで
相手の「金」に注目してみていきましょう。
上図の例では、相手が△7二金としてきた時点で、「棒金戦法」を警戒し、7七桂を後回しにしました。
その理由は、相手の「金」が△8三金としてきた時点で、▲7八飛と引くためです。
金は斜めに動くことができないので、△8三にいる金は元の場所に戻るには相当の時間がかかります。
それどころか、飛車先を塞いでしまっている状態であり、相手は石田流に対して「罠」を用意していたにも関わらず、肩透かしにあったようなかんじになります。
ポイントとしては、相手が「棒金戦法」をとる可能性があると思えるとき(△6一の金が動いていない等)は▲7七桂を保留するといいでしょう。
△7二金としてきたら、「棒金戦法」がくると思っていいと思います。
▲7六飛をしてからの、▲7七桂を後回しにして、相手が△8三金としてきた瞬間に▲7八飛と引く。
棒金戦法対策2(チャンスがきたとおもった瞬間に▲6五歩と決戦を挑む)
図3:▲6五歩まで
もう1つの方法としては、▲7六飛の後に、▲7七桂ではなく▲7七馬として、チャンスだと思った瞬間に▲6五歩と決戦(角交換)を挑む方法です。
▲7七角とするのは、相手から△7七角成のように角交換をしてきたときに▲同桂として角に紐をつける(守れる)ことに加えて、そのまま桂馬を攻撃に参加することができるからです。
先手は、角交換をしたあとに、5三や7一の地点に角を打ちこんで、馬をつくることができます。
コンピューターソフトは、角交換をしたあとに、▲2六角打を勧めています。
なお、▲6五歩と決戦を挑んだ時点で、評価値は先手が200点ほど勝っています。
相手から角交換をしてきた場合は先手が600点ほど勝っていて優勢です。
相手は、棒金戦法をしたことによって、8三の金が遊び駒(役に立たない)になりやすい一方で、先手は駒が中央に向かっていて、遊び駒があまりありません。
このように、相手の石田流対策を逆手に取ってしまえば、相手のせっかくの対策を肩透かしにするどころか、こちらが優位になることができます。
まとめ|棒金戦法対策
・△8三金の瞬間に▲7八飛と引く
・チャンスがきたとおもった瞬間に▲6五歩と決戦を挑む
以上、棒金戦法対策でした。
「序盤戦が優位になりにくい」という課題について、8回にわたってまとめてきましたが、今回で終了です。
次回以降からは、残る「終盤力(寄せ・詰み)」の課題を向上するための記事をまとめていきたいと思います。
ただし、記事の完成前に「アマチュア初段」になる可能性がでてきたため、臨時の記事を1回挟むことにしました。
囲いの崩し方と棒金対策等をまとめているうちに棋力が勝手に上がっていました。
やはり、先を見据えて戦っているので、序盤戦を有利に戦えるようになったからだと思います。
この記事では、アマチュア初段になる前だからこそ、まとめておきたいことをまとめていきます。
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